総合診療医
【福司山先生の連載ブログ】高血圧症について
総合診療医の福司山先生による連載ブログコーナー
【第5回目】高血圧症について
高血圧症とは、血管にかかる圧力が慢性的に高い状態のことを指します。
診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、あるいは拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場合を高血圧症と診断します。
高血圧症を放置すると、血管や臓器に負担がかかり、さまざまな疾患のリスクが高まります。例として、脳卒中(脳梗塞・脳出血)、心筋梗塞、狭心症、心不全、腎不全、大動脈解離などが挙げられます。健康的な生活を送るため、血圧を基準範囲にコントロールすることが必要です。
【高血圧症の種類】
高血圧症には「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」の2種類があります。
●本態性高血圧症(約90%)
明確な原因が特定できないものの、生活習慣や遺伝的要因が関与していると考えられます。
塩分、肥満、運動不足、喫煙、過度な飲酒、ストレスなどの要素がリスクを高めます。
●二次性高血圧症(約10%)
他の病気が原因で血圧が上がるタイプです。主な原因として、腎動脈狭窄、甲状腺や副腎に関するホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。これらの病気を治療することで血圧が正常化することがあります。
【日常生活で注意すること】
食生活の改善
日本人の平均塩分摂取量は約10g/日と高めですが、6g/日未満が推奨されています。また、野菜や果物に豊富に含まれるカリウムを摂ることで、ナトリウムの排出を促し、血圧の安定につながります。さらに、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控えることで、動脈硬化の予防にもなります。
温度の変動
急激な温度変化は血圧の上昇を招くため、特に冬場の外出や入浴時に注意が必要です。玄関や脱衣所を暖めたり、浴室を事前にシャワーで温めるなどの工夫をしましょう。
適度な運動、適正体重の維持
ウォーキング、ジョギング、水泳、ヨガなどの有酸素運動を週に数回行うことが推奨されます。BMIを25未満に維持することを目標に、適正体重を意識しながら運動を習慣化しましょう。
ストレス管理
趣味やリラックスできる時間を確保し、十分な睡眠をとることで心身のバランスを整えましょう。規則正しい生活習慣がストレス軽減に繋がります。
禁煙・節酒
タバコは血圧を上昇させるため禁煙が望ましいです。アルコールは適量を守り、男性は1日20g、女性は10gまでを目安にしましょう(例:ビール中瓶1本、日本酒1合、ワイン2杯弱程度 ※女性ではこの半量位が目安です)。
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