総合診療医

【福司山先生の連載ブログ】痛風発作について

総合診療医の福司山先生による連載ブログコーナー

【第7回目】痛風発作について

ある日突然、足首が赤く腫れてズキズキする・・・。それ、「痛風発作」かもしれません!

最近、40〜70代の男性を中心に、朝起きたら足が腫れて歩けないという訴えで受診される方が増えています。

通する生活習慣としては、外食や飲酒が多く、体を使う仕事をしていることなどが挙げられます。

 

【痛風ってどんな病気?】

痛風は、体の中に“尿酸”という物質が増えすぎることで、関節に尿酸の結晶が蓄積し、炎症を起こす病気です。この炎症が「痛風発作」と呼ばれる激しい痛みの原因です。

尿酸は、プリン体という成分が体内で分解されることでできます。プリン体は、レバー・魚卵・肉類・ビールなどに多く含まれており、飲みすぎ・食べすぎが原因になることがあります。

高尿酸血症は、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態と定義されており、食生活の欧米化とともに患者数は増加しています。

症状は?

痛風発作は主に、足の親指の付け根で起こりやすいですが、足首や足の甲、かかと、膝、手首、肘などでも見られます。

突然赤く腫れ、激しい痛みが出ます。発作は夜間や朝方に始まることが多く、捻挫や虫刺されと勘違いされることもあります。

数日から1週間で自然に治まることもありますが、治療せずに放置すると繰り返すようになり、関節に結節(痛風結節)ができたり、腎障害や尿路結石につながることもあります。

 

治療は?

まずは痛みを抑える治療をします。炎症を抑える薬(痛み止めやステロイド薬など)を使って、発作を落ち着かせます。
その後、再発予防のために尿酸値を下げる薬(尿酸降下薬)を使用します。

痛みがないからと放置せず、根本的なコントロールが重要です。

 

●再発を防ぐには?

予防には生活習慣の見直しが不可欠です。特に以下のポイントが大切です。

• 水分をたっぷりとる(1日1.5~2Lを目安に)

• アルコールを控える(特にビール、日本酒)

• プリン体の多い食品を減らす

• バランスのよい食事を心がける

• 運動や減量も効果的(急な激しい運動は避けましょう)

痛風発作の予防には、尿酸値を6.0mg/dL以下に保つことが推奨されますが、痛風結節の縮小を目指すには、5.0mg/dL以下へのコントロールがより効果的とされています。

特に外食が多い方や、お酒を毎日飲む方は、定期的に尿酸値をチェックするのと良いでしょう。

【まとめ】

痛風は「ぜいたく病」とも呼ばれていましたが、今や働き盛りの人に多い生活習慣病の一つです。

思い当たる症状があれば早めに医療機関を受診し、日々の生活を見直すことが、再発予防の第一歩です。

 

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