総合診療医
【福司山先生の連載ブログ8】貧血について
総合診療医の福司山先生による連載ブログコーナー
【第8回目】貧血について

秋の疲れ、もしかして「貧血」かも?
朝晩が少しずつ涼しくなり、過ごしやすい気候へ変化してきました。
「最近なんだか疲れやすい」「階段を上ると息切れがする」「顔色が悪いと言われる」―そんな不調を感じていませんか?それ、秋バテではなく“貧血”のサインかもしれません。
貧血とは、血液中の赤血球や、その中に含まれるヘモグロビンが不足している状態をいいます。
ヘモグロビンは体のすみずみに酸素を届ける重要な役割を担っており、不足すると体が十分な酸素を得られず、さまざまな不調があらわれます。
【貧血の主な症状】
貧血では、疲れやすさや息切れ、だるさが現れやすくなります。酸素不足のため動悸やめまい、立ちくらみが起こることもあり、体からのサインとして注意が必要です。

【貧血の原因と種類】
貧血には様々な原因があり、そのタイプによって対処法が異なります。
●鉄欠乏性貧血
最も多いタイプで、鉄分の不足が原因です。月経・出産・偏った食事・胃腸の出血などが関係します。

●ビタミン不足による貧血
ビタミンB12や葉酸が不足すると、赤血球の形成に支障が出ます。肉や野菜の不足が原因になることがあります。
●骨髄の異常による貧血
骨髄は血液を作る「工場」のような場所です。骨髄の働きが低下する「再生不良性貧血」、異常な血液が作られる「骨髄異形成症候群(MDS)」、白血病細胞が増える「白血病」などが代表的です。
●慢性疾患に伴う貧血
がん、腎臓病、関節リウマチなどの慢性疾患に伴って起こることもあります。
●遺伝性の貧血
鎌状赤血球症やサラセミアなど、遺伝による特殊な貧血もあります。
【貧血の予防と対策】
貧血を防ぐためには、日常生活での栄養バランスがとても大切です。
- 鉄分の多い食品をとる:レバー、赤身の肉、魚、あさり、小松菜、大豆製品など
 - ビタミンCと一緒にとる:鉄の吸収を助けるため、柑橘類、ピーマン、トマトなどを組み合わせましょう
 - ビタミンB12・葉酸を含む食品も大切:レバー、卵、乳製品、緑黄色野菜など
 
さらに、十分な睡眠や軽い運動、月経や体調の管理、定期的な血液検査も予防に役立ちます。日々の生活習慣を整え、自分の体の小さな変化に気づくことが大切です。ただし、骨髄の異常や慢性疾患による貧血は、食事だけでは改善できないため、早めの受診が必要です。

【まとめ】
貧血は「ただの疲れ」ではなく、体の酸素不足によるサインかもしれません。症状が気になる場合は早めに医療機関を受診しましょう。日々の食生活を考え直すことで、貧血の予防・改善につながります。
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